触れ合う身体と混ざり合う気 (2022/10/16)

AVの巨匠、代々木忠監督の著書、
プラトニック・アニマル」では
「社会を手放す呼吸法」や「性器呼吸」が
 紹介されていて、
セックスを愉しむ意識状態になるために
呼吸というものの重要性が強調されている。
私自身も若い時に全く別の、とある呼吸法を
学んだことがあるし、
オナ禁によって精のエネルギーを身体に
循環させているのも、呼吸法の力が大きい。
呼吸法を学んだことによる最大の収穫は、
物理的な呼吸とイメージ上の呼吸を
分けて感じることができるようになった
ことだ。
例えば、「性器呼吸」の場合、
物理的な呼吸は、
鼻や口から左右の肺に息を吸って
鼻や口から吐くのだけれど、
イメージ上の呼吸は、
性器から胸の中心まで吸って、
胸の中心から全身もしくは周囲に放出する。
そのイメージは、
単にイメージで終わるのではなく、
向けられた意識に従って、
意識エネルギーのようなものが実際に動く。
その意識エネルギーは、
中国や日本風には「気」、
インド風には「プラーナ」というもの。
気は、意識を伴うエネルギーなので、
意識を向けてイメージしたように実際に動く。
・・・
呼吸法によって身に付いた、
物理的な動きと意識エネルギー(気)の動きは
別なものにできるという感覚は、
私はセックスの時にも感じている。
身体は触れ合うことができるだけだけど、
気は混ざり合えるし、相手の身体に入る
こともできる。イメージの世界だからね。
もう1年以上前のことになるか、
パートナーが、
「ダーリンがおっぱい吸うの、
  とても上手なんです。」
って投稿したのを読んで、
私は吹き出したことがある。
エロ小説の書き出しみたいで🤣
オモロイね。
でも、ネタをばらすと
特別な吸い方があるわけではなく、
痛くならないようにソフトにしているだけで、
物理的にはおっぱいを吸いながら
意識、気の世界では彼女のハートにキス
しているイメージの中にいる。
クンニでは物理的には口や手で
性感スポットと呼ばれる箇所を
軽く刺激しながら、
意識、気の世界では、女性の下腹部に宿る
何か聖なる存在に祈りを捧げる、
という二重奏をしている。
彼女の身体を抱きしめる腕は
彼女の身体の中には入れないけど、
抱きしめる意識、気は
彼女の背骨の芯まで注入している。
ちんこは膣奥までしか届かないけど、
意識、気は彼女の頭頂まで貫いている。
それはただのイメージだけではなくて、
イメージしたように意識エネルギーである
「気」は実際に動く。
私のパートナーは、そういう
意識エネルギー、気に対する感受性が高い
女性なのだと思う。
だから「気」持ちいい、のだろう。
また、代々木監督が
「一番気持ちいいフェラチオは、
女性がしたくてしてくれるフェラチオだ。」
とおっしゃったのは、
そういう意識エネルギーが
伝わってくるからだろう。
・・・
物理的な動きと意識のイメージを
切り離すことができなければ、
性感帯をコチョコチョして
挿入してシコシコして
男の射精欲を満たしているだけの、
なんともわびしいセックスに
なってしまう。
アダム徳永氏も、
アダムタッチのひとつのミソとして
指先や掌から気が出る、と
おっしゃっている。
セックスのメソッドに「気」という
言葉を使ったのは、同氏の功績だと思う。
でも、私としては、
どうせ気を出すなら指や掌なんて
ショボいことを言ってないで、
全身から気を出して
相手を包み込め、と言えばいいのに、
というもどかしさがある。
パートナーとそういう談義をしているうちに、
キミも呼吸法やってみる?
ということになり、
及ばずながら彼女にレッスンをすることに。
いままでは、
意識のエネルギーで抱きしめるというのは
私から彼女に一方的にしてきたことだけど、
彼女の方からもそれをして、
相互に気の抱擁をするようになると
また新しい世界が見えるかもしれない。